執念実って借金2! 広島が黒田博樹投手(40)の8回無失点の好投に野手陣の執念結集でカード初戦を制した。スカッととはいかないが、そこは気合! 6回には丸佳浩外野手(26)がヘッドスライディングの入魂プレーで追加点をもぎとった。7月10日以来の借金2とし、緒方孝市監督(46)もうなずいた。首位ヤクルトと4ゲーム差。さあ流れに乗っていこう!
普段は封印している男も、思わず頭からいった。丸は執念の境地にいた。1点リードの6回2死満塁。カウント2-2からの6球目だった。不覚にも、止めたバットにボールが当たった。ボテボテの打球が遊撃鳥谷の前に飛んだ。一塁からは四球をもぎ取った黒田が懸命に走っていた。丸はベース手前で、飛んだ。
丸 飛んだところがよかったので、あわよくばと思って走っていました。自然に出たプレー。執念です。
横に広がった一塁塁審良川の手を、丸は傾いたヘルメット越しに見た。1回は初球バントで阪神岩田の送球ミスの失策を誘い、一塁でゴメスと交錯。泥だらけだったユニホームは、さらに甲子園の土の色に染まった。マウンドで仁王立ちする黒田を助けたい。その一心だった。野手の気持ちがグラウンドで赤ヘルを躍動させた。
試合後、緒方監督は黒田の投球を称賛した後、野手陣も褒めたたえた。9日の試合では2点を追う土壇場の9回に同点に追いつき、前日10日の試合は逆転された直後に再逆転した。この日は3度の満塁機を得ながら合計3点と順調な得点ではなかった。だがもう結果がすべてだ。形になった気迫がうれしかった。
緒方監督 丸が何とかという気持ちを見せてくれて、(追加点の鈴木)誠也も自信にしてほしい。やはり投手が頑張っているから、野手も1点ずつだけど、何とかという気持ちになる。
歯車がかみ合い、引き分けを挟んで3連勝。7月10日以来の借金2まで巻き返した。借金3の壁に7度阻まれながら、今度は乗り越えた。9回は4連投の中崎が、上位3人を3者凡退で終わらせた。重要だったカード初戦を取り、緒方監督は「今は(投打の)バランス的にもいい。頭を取ったのでね。明日また、頑張ります」。首位ヤクルトと4ゲーム差。奇跡を信じたラストスパートが、始まった。【池本泰尚】



