魂の一撃-。阪神福留孝介外野手(38)が、チームの連敗を4で止める決勝の20号2ランを放った。借金陥落を阻止し、この日戦った4位広島とのゲーム差を3・5に広げた。「いい感触で捉えられました!」。1回1死一塁。右中間へ吸い込まれた2ランで全員が前を向いた。

 「ここのところ、相手が先制してゲームの主導権を握られていた。先制できて良かった」

 勝利した20日ヤクルト戦を最後に、ことごとく先制点を奪われた。23日には都内のホテルで中村GMが急逝し、みんなが悲しみに包まれた。喪章を付けて臨んだ前夜は中日に敗戦。福留は「昨日の試合でも自分が打っていれば…というのがあった」と責任を口にする。もう、天国にいるGMを悲しませることはできない。心の奥にあったのは弔い星を願う気持ちだった。

 福留 僕がタイガースでプレーできているのは、GMに声をかけていただいたから。何とかして勝って。早く勝ちが欲しかった。

 12年オフ、日本に戻る際の1つの決め手が、中村GMの誠意あるアタックだった。自分にできることは、グラウンドで精いっぱいのプレーを見せることだ。

 「明日につながる試合ができた。最後まで勝つという姿勢を見せていければと思う」

 CSの本拠地開催がかかる2位巨人とは2・5ゲーム差になった。泣いても笑っても残りは6試合。猛虎のため、中村GMのため…。福留の心は燃えている。【松本航】

 ▼福留が阪神移籍後初のシーズン20本塁打。福留の20発以上は、03年34本、04年23本、05年28本、06年31本に次ぎ9年ぶり5度目。メジャー5年間(08~13年)で20本塁打以上の年はない。また、阪神打者の20本塁打以上は、14年ゴメス26本以来。左打者では10年ブラゼル47本以来。日本人では10年城島28本以来で、左打者に限ると09年金本21本、鳥谷20本以来。