ヤクルトの優勝はオレが決める。ウラディミール・バレンティン外野手(31)が優勝決定ホームランを予告した。優勝マジック「1」としながら前夜に敗れて足踏みしたナインは9月30日、全体練習。主砲は神宮室内で打撃練習などを行い、今日1日の阪神戦(神宮)に備えた。本拠地で優勝を決める最後のチャンスに、最強助っ人の目が怪しく光った。

 打撃練習を終えたバレンティンの表情は明るかった。自分の打撃の状態が良くないことは、分かっているのに。それでも前向きになれた。「ホームランを打てるような状態ではないですけど、行き当たりばったりで出ればいい。まぐれでね」。シーズン60発を放ったキングが、恥も外聞もなく、出合い頭のホームランを予告した。

 焦っていた。左太もも肉離れから復帰直後、9月18日と19日の巨人2連戦で1本塁打を含む5安打を放った。だが、その後の9試合では31打席で1安打。打率は1割8分8厘まで落ち込んだ。なんとか優勝に貢献したい気持ちが、凡打を重ねるごとに重圧になった。

 この日、見かねていた三木作戦コーチに声をかけられた。「一生懸命やってる姿は見ている。気負わなくていいから。いつも通りにやってくれ」と肩をもまれた。気持ちが楽になった。宮出打撃コーチに向かって「阪神岩田の落ちる球をセンター前、バックスクリーンに打つ。それで、ヤクルトが優勝」と予言した。

 本拠地で優勝を決めるには今日1日の試合に勝つ以外にない。この日、着ていたTシャツの胸には「JUST DUNK IT」(決めてやるぜ)と書かれていた。みなぎるやる気はそんなところにまで表れていた。真中監督は「ここまで来たら打たなくても、勝てばいいよ」と笑いながら言ったが、そうはいかない。出合い頭の1発で、優勝を決める。【竹内智信】