阪神掛布雅之球団本部付育成&打撃コーディネーター(DC=60)が来季から2軍監督を務めることが21日、明らかになった。前日20日に南球団社長の要請を電話で受けて快諾。夜には金本監督からも電話でお願いがあった。契約の詳細は今後煮詰めていくことになる。現在同行している「みやざきフェニックス・リーグ」の楽天戦(SOKKENスタジアム)前には「元気さ」をテーマに2軍からのチーム改革を誓った。
まさかの「お願い」が関西から飛んできた。「俺が一番、ビックリしちゃってるよ」。そう言う掛布DCはこめかみをしきりに触り、笑っていた。前日20日の朝。11月1日付での退任が報じられた南球団社長に、宮崎からねぎらいの電話をかけた。日中の試合は普段通りに指導。試合後、今度はその南社長から着信があった。想像の範囲を超えた2軍監督就任要請だった。
掛布DC 断る理由はないからね。前向きな返事をさせてもらったよ。1、2軍の風通しが良くなるようにしたいね。
その夜、1軍の金本新監督からも電話がかかってきた。金本監督は野球解説者の立場で、他の仕事と現場を両立する掛布DCを見てきた。監督就任にあたり南社長に「1年間ずっと一緒にやれないんですか」と提案。社長も賛成し「掛布2軍監督プラン」が生まれた。共に阪神を背負った左の4番打者だ。掛布DCも、腹を固めて猛虎改革を引き受けた後輩を見捨てなかった。まだ契約の詳細は決まっていないが、受諾した掛布DCはすぐに理想のチーム像を描いた。
掛布DC 安芸のスタンドが満員になるような元気さが欲しいよね。選手は10の目で見られるよりも、100の目で見られた方が絶対伸びるんだから。2軍から阪神を、プロ野球を、盛り上げていきたいね。
金本フィーバーが予想される来季の春季沖縄・宜野座キャンプ。2軍の高知・安芸だって負けるつもりはない。13年オフの現場復帰を境に、掛布DCのキャラクターで球場は活気にあふれた。親子以上の年の差がある若手選手にも、冗談を吹き込み、褒めながら伸ばすスタイル。築いた信頼関係を生かして横田、陽川ら有望株の指導継続はもちろん、若手を大きく育てる環境作りにも励む決意だ。
ドラフト会議のため東京にいる金本監督も「風通しだけは良くしようという。本当に頼りになる」と掛布DCに期待を込めた。強固な信頼関係はすでに築かれている。金本監督による「厳しく明るい」1軍を、「元気な」新生ファームが押し上げる。【松本航】



