鉄腕から希望が持てる安打を放った。50メートル走5秒7の快足を持つ巨人ドラフト2位の重信慎之介外野手(22=早大)が、沖縄キャンプ初日となる16日、フリー打撃で日本屈指のセットアッパー山口鉄也投手(32)と対戦。16スイング中、安打性5本。難しい球をさばく技術に加え、右中間を抜ける強い当たりも打てる二面性も見せた。18日の練習試合の韓国・LG戦も出場が予定され、周囲の評価は上昇中だ。

 持ち味の対応力をいかんなく発揮した。13スイング目、山口の武器であるシュートが内角へ食い込んできた。それでも、逃げることなく、肘をたたんでうまくレフト前へ落とした。「今までの野球人生で見たことがないボールが来た。ボールの威力もあったし、内角から内角に曲がるシュートには驚きました」。だが、8年連続60試合登板中の山口は「構えが小さくて嫌なバッターだった」と新人の粘り強さに舌を巻いた。

 一方、14スイング目には直球を振り抜き、打球は右中間を破る強い打球も放った。23球中空振りは1、見逃しが2、16スイングで安打性は5本。173センチと決して大柄ではない重信だが、内に秘めているパワーものぞかせた。

 目標は「いやらしい」打者ではない。「最初からそこを目指してしまうと、全てが小さくまとまってしまう」。目指すは昨季首位打者を取ったヤクルト川端のような厳しいところに来ても対応できる打者だ。「カウントを悪くすれば、自分の足が生かせてチャンスも広がるけど、初球でも仕留められる打者になりたい」と理想は高く持っている。

 重信は「山口さんはまだ本気じゃなかった。満足にはいかない」と謙虚だった。それでも、宮崎キャンプから続く好調を維持し、「とにかく行きたい」と言っていた沖縄キャンプでも好調な滑り出しを見せた。高橋監督も「宮崎でも左投手への対応はできていた。これからの試合でも使っていきます」と起用を明言。18日の韓国・LG戦がプロ初の実戦出場となる重信は「これまでとやることは変わらない。ヒットじゃなくても塁に出て、塁上をかき回したい」と気合十分。寒空が続く沖縄でも、重信旋風は止まらない。【桑原幹久】