日本ハム大谷翔平投手(21)が来年3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で守護神を務めるプランが浮上した。19日、沖縄・名護でアリゾナキャンプから帰国後初めてブルペン入りし、49球を投げた。視察した侍ジャパン権藤博投手コーチ(77)は抑え投手の重要性を説き、候補として大谷の名前を挙げた。

 各球団を視察中の同投手コーチは「抑えを誰にするか、その1点だけ」と守護神選びを最大のテーマにしている。この日は捕手の後ろから熱視線を送り「則本にするか、大谷にするか…。そういうものを考えながら見ていかないと。(大谷は)本職じゃないけど、あの球なら」と、クローザー起用の可能性を口にした。

 世界一になった09年のWBCでは、ダルビッシュが準決勝、決勝で務めている。大谷は2イニングの調整登板だった14年10月の楽天戦や同年の球宴で162キロをマーク。イニング限定のマウンドでは剛速球にすごみが増す。フォークとのコンビネーションで、昨季10・98と高い奪三振率も誇るだけに、適任ともいえる。

 同投手コーチは「球宴を過ぎたら徐々に絞っていく」と、現時点ではプランの1つと強調。大谷も「段階を追って徐々によくなっています。もっと本格的に、ゲームで勝っていくための中身のある練習にしていければ」と目の前の課題に取り組んでいる。前日18日に小久保監督が明かした代打構想に続く、守護神プラン。侍ジャパンで、大谷の存在感が大きいことの裏返しでもある。【本間翼】