おじさんもびっくり仰天だ。日本ハム中田が、豪快すぎる「スー・プラッシュ弾」をかけた。
韓国KIAとの練習試合の第2打席。3回2死一塁だった。ほぼ真ん中の直球を、軽々と仕留めた。強風に乗り両翼98メートルの球場の左翼場外へ、白球を運ぶ。球場に隣接する東シナ海の砂浜へは届かなかったが推定飛距離140メートルの1発を、打ち上げた。
小さな奇跡も起きた。ホームラン球を喜び爆発で拾ったのは、サンダル履きで沖縄の子ども連れの男性。方言で「スー」と呼ばれる、お父さんだった。「おじぃ」までは達しない、散歩していたもようの40代とみられる幸運の主へと運んだ。波しぶきは立てられなかったが、現地の「スー」が感動のしぶきを上げた。まさに「スー・プラッシュ」が、今季実戦1号。「風が強かったので、ホームランというホームランじゃない」。控えめに喜んだが、貫禄の一振りだった。
自身も1女のパパだが、今季も絶対的な打線の柱。年下の若手が多く、場外弾で競演した横尾らから助言を求められる立場になった。「僕と違ってフレッシュな子たちと、野球をやっていると楽しいからね」。まだ26歳で群を抜いて先輩でもないが、チームの「スー」のような、上から目線。威風堂々の言葉にも、背負う思いが表れる。スラッガーの王道を今季も進む、号砲になった。【高山通史】



