巨人高橋由伸監督(40)が監督就任後初めて東京ドームでのオープン戦に臨み、昨季リーグ王者のヤクルトに4-2と競り勝った。坂本、ギャレット・ジョーンズ外野手(34=ヤンキース)ルイス・クルーズ内野手(32=ロッテ)の新クリーンアップが、3月25日の開幕戦で対戦する小川に3連打を浴びせて先制するなど、課題の「軸」が定まり好スタートを切った。
ベンチの高橋監督が、思わず手をたたいた。1回2死から3番坂本が左前打で出塁。4番ギャレットが右前打、続くクルーズが左中間に適時二塁打を決めた。開幕戦で対戦するヤクルト小川から、新クリーンアップの3連打で先制点をもぎとった。高橋監督は組んでいた腕をほどくと、先制のホームを踏んだ坂本と右手のひらでタッチした。助っ人2人は2安打ずつを放ち、チームは計10安打。「2人がいいところでポンポンと打って。ああいう形で勝負強さがチャンスで出てくれるといいですね」と喜んだ。
高橋巨人の命運を握る「軸」が機能した。昨季はチーム打率がリーグワーストの2割4分3厘。外国人がクリーンアップで先発したのはわずか50試合。アンダーソンは83戦7発、フランシスコにいたっては5戦0発と苦しんだ。1月のスタッフミーティングでは、内田打撃コーチが「新外国人の2人が活躍すれば他の負担が減る。日本人に連鎖反応が起こる」と、打線復活の鍵とみていた。その言葉通り、新助っ人の上昇ムードが波及効果を生んだ。
新監督は、初の本拠地ゲームにもドンと構えていた。「相手もほぼベストメンバーに近いかなと感じたので観察していた」と、注意深く視線を送った。そして勝敗や結果を最重要視せず、ほぼノーサインを貫いた。25日にキャンプを打ち上げた際、「個々のパフォーマンスをきっちり見せてほしい」と要求。チームスローガンを「一新」と掲げたように、3月中旬までは新たなメンバーが個の力をどう上げていくかを見定めると決めている。
心配の種だった打線にも当たりが出た。「中軸が打てば周りは引っ張られ、楽にできる」と兆しを感じ取った。この日初めて、監督室で試合までの時間を過ごした。荷物の片付けをし、物思いにふけった。「今まで球場に来て1人の空間ってなかった。不思議な感じはするけど。慣れるまではね」。新人監督もチームも、まだ進化の過程にある。【浜本卓也】



