言葉をなくした。ノーヒットの快投を続けていた楽天則本が、1球でマウンドに沈んだ。失策と四球で初めて走者を背負った4回1死一、二塁。初球のフォークがわずかに浮いた。ソフトバンク内川のバットに捉えられた打球は、はるか後方の左中間スタンドへ突き刺さった。7回120球で2安打8奪三振。6試合連続2桁安打中の相手をねじ伏せたはずが、試合後にはチーム4連敗目となる黒星が残った。
うつむいたまま、バスの待つ通路を無言で引き揚げた。「悔しい。あの1球だけなので」。それ以上は振り返れなかった。試合前には藤田、岡島に続き、今江までもが1軍登録を抹消された緊急事態。流れを変えてほしい。右腕にかけられた期待は痛いほど分かっていた。初回から2奪三振。開幕戦から4試合連続の2桁奪三振を予感させ、敵地のマウンドで仁王立ちした。この日許した初安打が決勝打となった不運。梨田監督は「エラーと、柳田を攻めた結果与えた四球直後のすっぽ抜け。逃さず打った方もすごいけど…。1安打で3点。展開がきついね」とエースをかばった。チームは8勝8敗の勝率5割に逆戻り。正念場を迎えた。【松本岳志】



