虎が苦手右腕に今季初顔合わせで屈した。昨年3試合で2勝を献上したヤクルト山中の前に6回で1点だけに終わっての敗戦。今季初めて1番打者に横田をスタメン起用するオーダーを組んだが、勝利に届かなかった。苦手払拭(ふっしょく)へ超変革といきたいところだ。

 軟投技巧のサブマリン相手に浮上できない。金本阪神も山中に幻惑された。甲子園に完敗ムードが漂ったのは6回だ。その直前、高宮が無死満塁のピンチを切り抜け、4点差で迎えた。先頭大和の左翼線二塁打、江越への死球で無死一、二塁の反撃機が巡る。だが、ゴメスが中飛に倒れ、鳥谷の遊ゴロで二、三塁に進むのが精いっぱい。粘る西岡も、最後は外角109キロスライダーに空を切り、打席に立ち尽くした。

 聖地の期待感はしぼみ、ため息が充満する。山中に6回で1得点しか挙げられず、今季初対戦の下手投げ相手にジンクスを破れなかった。昨季は3試合に先発し、1勝2敗、防御率1・84に封じ込められた。普段は見慣れない軌道で直球は浮き上がってくる。ズバッとコーナーを突く120キロ台の球に何度も詰まらされた。しかも序盤から絶妙に曲がるスライダーにてこずり、攻めきれない。金本監督も渋い表情を浮かべた。

 「得点圏に行ったときの打撃よね。そのへんは去年とあまり変わっていない。今日に限ってはね。(変則的)だから打てませんではどうしようもない。次に来たら、ハイお手上げですかと。そこは工夫だからね。目付けを変えるとか」

 前日19日は劣勢をはね返して辛勝した。この日は本調子ではないルーキー高山をスタメンから外して、横田をプロ初の1番に抜てきした。勢いを作るべく、最善策を施したが、起爆剤にならなかった。左足負傷の福留が先発を外れてから1勝4敗。指揮官も「(福留復帰に)時間がかかりそうだね。若い選手がグイグイ、チャンスで得点圏で結果を出してくれないと」と話し、若虎の奮起を求めた。

 攻守のリズムも、ちぐはぐだった。6回無死一塁。山田の飛球は左中間へ。だが左翼江越が落球し、二塁打にしてしまう。絶体絶命の無死満塁こそ乗り越えたが、ドタバタ感は消えず、終わってみれば徒労感だけが残った。先週末に名古屋で3連敗し、本拠地で白星を1つ挟み、また敗戦…。天敵を打ち崩せず、乗り切れない。【酒井俊作】