こんなに送れないなんてビックリマンだ。阪神はロッテを上回る10安打を放ちながら1得点止まりの攻撃が響き、連敗でまた借金に転落した。3回に北條が、6回には狩野が送りバント指令を遂行できず、無死一、二塁の好機がいずれも無得点。ロッテには「強さがハンシン半疑」なんて挑発されていたけど「日本生命セ・パ交流戦」は3カード目も初戦を落とし、波に乗れない。

 もどかしい千葉の夜だ。ロッテを上回る10安打を放ちながら1点差、競り負けた。5回以外は毎回走者を出した。でも得点は1点だけで11残塁。痛く響いたのはまたまた顔を出した「送れない病」だ。3回と6回、2度の無死一、二塁でバントを失敗した。金本監督は敗因を「そこでしょう、一番は」とおかんむりだ。

 1点取られた直後の3回、横田と鳥谷の連打でチャンスを作った。だが北條のバントは投手石川の正面へ。三塁で封殺され、押せ押せムードは急停止…。相手に一呼吸置く猶予を与え、福留とゴメスが倒れて0点に終わった。

 6回はその福留とゴメスの連打で再び好機。今度は5番指名打者で先発の狩野が及び腰気味に初球をファウルした。「とてもじゃないけど、できるとは思えなかった。あれは」。見かねたベンチは強攻に切り替えたが、シンカーで空振り三振。原口、高山も凡退した。

 「前の試合もそうだし」。5日西武戦の再現VTRのようだった。同点の8回で同じ無死一、二塁。高山のバント失敗から勝ち越せず。延長11回裏にも1死一塁で打席に立たせた投手安藤がバントを決められなかった。延長12回の果てに惜敗し、金本監督は「こういう日もあるよで終わるのか、責任を重く感じて練習に取り組むかで方向性が違ってくる」と厳しく叱咤(しった)した。主に高山に向かった怒りは、ナインみんなが胸に刻んだはず。生かせないのはなぜなのか。

 「バント練習もやっていると思うけど、どこまで真剣にやっているのか。自分を追い込んでね。単にバントだと練習するんじゃなく、9回無死一、二塁の場面を想定してやってるのか」

 さらに強い口調で疑問を投げかけた。漠然と練習しているだけではないのか。リアルに場面を想定して、本気で練習しないと本番では決められない。「練習しかないでしょう!」と、また語気を強めた。

 北條もくちびるをかんだ。「決めないと…。僕みたいなタイプは、あそこで仕事をしないとダメな選手なんで…。あそこで決めていたら点が入っていたと思う」。狩野は何を聞かれても無言でバスに乗り込んだ。

 6月初めての借金生活。特にこの連敗は、ミスが目立った。金本監督は「今日が良い例ですよ」と自虐気味に言い放った。傷口が浅いうちに治さないと、もっと勝てない試合が増えていく。【松井清員】

 ▼阪神の今季犠打数28は、セ、パ合わせて11番目と少ない。最下位はヤクルトの25。トップの日本ハム66から西武47まで、上位6チームはパ。

 ▼阪神では先発時2番が多かった大和が5犠打で一番多い。梅野と投手の能見が3で続き、2が4人。

 ▼両リーグで上位は、日本ハム中島が26。今季通算200犠打を決めたソフトバンク今宮が20をマーク。