今年は3冠も狙えるぞ! ヤクルト山田哲人内野手(23)が楽天戦の7回、左翼席へダメ押しの19号3ランをたたき込んだ。チームの連敗を6で止める決定弾になるとともに、今季初めて打点部門でもトップに立つ48打点となった。本塁打19本はもちろんセ・リーグでは独走態勢。打率も2位で巨人坂本を追う。6回には二盗も決めて15盗塁となり2年連続トリプル3はもちろん、3冠王への夢も広がる。

 左から右へ吹いていた逆風がやんでいた。山田が高く打ち上げた打球は、風に邪魔されることなく左翼席のポール際に舞い落ちた。「(バットの)先っちょでした。切れるかと思ったので、切れなくてよかったです」と素直に喜んだ。7-3で迎えた7回1死一、三塁で、勝利への流れを決めたのは、やはり山田の一振りだった。

 理想はある。それでも自分のスタイルを壊してまで追うことはしない。中堅への本塁打は19本中1本だけ。18本は左方向へ引っ張ってきた。本当は逆方向にも打ちたい。交流戦で日本ハムと対戦した時、大谷のフリー打撃を見ていた。逆方向の左中間に大きな当たりが飛ぶのを見て思った。「自分もああいう打球を打ちたい。引きつけて近いところで打ちたいけど、そうするとゴロになっちゃう。だから(ポイントは)前めにして振り抜いているんです」。

 高望みはしない。ある意味ぜいたくな悩みだが、無理せず自分を貫いているから成績を残せている。昨年の同時期は打率2割9分6厘、本塁打9本、打点24だった。今年は打率3割3分5厘で、本塁打は10本も多い。打点に至っては倍増だ。「3番という大事なところを任されている。(打点には)こだわっていきたい」と明言した。

 数字を残し続けているから余裕も生まれているのだろう。チームメートの中村が捕手の目で言った。「去年と(打撃は)変わっていないと思う。ただ投手を上から見られるようになっているんじゃないですか」。だからボールを見極め47四球も断トツだ。今年は昨年開幕当初のようなスランプもない。それでも「今は大丈夫だけど必ず波はある。だからティー(打撃)は続けていきたい」とルーティンをおろそかにはしない。堅実に着実に前に進んでいる。大谷のように体は大きくないが、能力とセンスはもはや異次元の領域に入ったようだ。【矢後洋一】

 ▼山田が3打点を挙げ、セ・リーグの打点トップに立った。打点のリーグトップはプロ入り初めて。5月7日にはトップの阪神ゴメスに今季最大の12点差をつけられ、同28日にも同僚のバレンティンに10点差あったが、交流戦8試合で14打点を量産し追い抜いた。