広島岡田明丈投手(22)が2勝目を挙げた。2回に先制され、なおも無死満塁の大ピンチを背負うも阪神西岡、鳥谷、江越の上位打線を打ち取ってしのいだ。力のある直球をどんどん投げ込み、6回7安打1失点。強靱(きょうじん)なメンタルでプロ初勝利と同じ相手の阪神からまた勝った。チームは96年以来20年ぶりのリーグ50勝一番乗り。貯金を今季最多の18とした。広島が止まらない。

 神ってるメンタルだった。1点を奪われた後の2回2死満塁。広島岡田は1ボールから直球を3球、しかも真ん中付近に続けた。147キロ、148キロ、146キロ。足をゆっくり上げてから投げ込む力のある直球に、阪神江越のバットは当たらなかった。空振り三振を奪っても、グラブを静かに3回たたいただけ。先頭から不運な3連打で失点し、無死満塁を背負ったが、落ち着いていた。

 「自信のある真っすぐで行こうと思った。落ち着いて、慌ててはなかった。新井さんにも『3点取られたら4点取るから』と心強く言ってもらった。しっかり抑えないと、と思った」

 動じない性格に加え、大商大時代に植え付けられた精神力がある。岡田に求められたのは完封だけだった。富山陽一監督の方針で「点を取られたら交代」。ただのエースではない。求められたのは絶対的エースの役割だ。岡田は「リーグ戦でも失点したら交代でした」と思い出す。だから今でも「失点したのでダメです」と平気な顔で言う。点を取られなければ負けない-。とてつもない「課題」のなかで精神力をつけた。

 3回にも福留の二塁打から無死三塁を背負ったが、中谷、北條を連続の空振り三振。投じた9球のうち、変化球は中谷へのスライダー2球だけ。「状態的に直球を投げないと投球にならないところで、押し込めたのがよかった」。緩急をつけながら、長所だけで封じた。6回7安打1失点。7三振を奪って2勝目を挙げた。

 岡田の阪神からの2勝目で、チームは96年以来20年ぶりのリーグ最速50勝。緒方監督も「投球は苦しかった。真っすぐだけの投球。でも6回1失点と結果はいい。ローテを守る中で自信にしてほしい」とほめた。ルーキーも押して勝った。広島は紛れもなく強い。【池本泰尚】