神様が引っ張る広島打線が止まらない。新井貴浩内野手(39)が2戦連発となる12号3ランを放った。独特の感覚を宿す打撃は逆方向への打球に現れる。さらに主導権を握ったチームからはさらに田中、鈴木が3ランで続いた。前日の新井のサヨナラ弾に「新井様」と表現した緒方孝市監督(47)も笑顔。今季最多の貯金21とした広島の快進撃が続いていく。
“新井様”は最後、左手1本でバットを放り投げた。前夜のサヨナラ弾とほぼ同じ弾道は右翼スタンドに消えた。目を細めてゆっくり歩を進める。3回1死二、三塁。中日大野の低めを打ち砕いた。ただ、まだ試合は序盤だった。喜びを抑えた表情でホームに生還した。試合後にようやく「みんながつくってくれた好機。何とかしたかった」と頬を緩めた。
史上42人目の通算300本塁打に王手をかける1発だった。昨季7本塁打の男が、これで今月7本目。そのうち5本を逆方向に放り込んでいる。マツダスタジアムでは4発連続で逆方向。「たまたま逆方向へいっているだけ。自分でも分からない。でも、逆方向へ引っ張っている感じかな」。手のひらを見つめながらつぶやいた。
確信はないというが、自ら要因を探った。昨季は夏場以降に失速。「分かっていても、修正出来なかった。バテてしまった」。今季はシーズン中もトレーニングと走り込みを継続。踏み込んでも上体が前に出ることはなく「回転出来ている」。下半身に最大限に意識を置く。軸回転でスイングの速さが増している。「長い間やっている。そんなことは分かっている」。内角攻めの心配も一蹴した。
右に引っ張る豪快弾を見せられ、門下生たちも発奮。田中、鈴木が4回に3ランを共演。日本一となった80年以来の36年ぶりの3ラン3発で、4回までに11点を奪った。前日のサヨナラ弾に「新井様」と表現した緒方監督も「言うことない攻撃。我々の目指す野球が出来てきた。ナイスゲーム」と手をたたいた。今季最多を更新する貯金21とした。「神ってる」いや、神様新井を先頭にチームは快進撃を続ける。【池本泰尚】
▼広島は3ラン3本で快勝。広島が1試合で3ランか満塁を3本以上打ったのは、連続日本一になった80年9月17日阪神戦で4回に衣笠が3ラン、5回に水谷が3ラン、8回に水谷が3ランを記録して以来、36年ぶりだ。これで本拠地のマツダスタジアムでは今季30勝11敗1分けの勝率7割3分2厘。マツダスタジアムでは打率3割8分の新井を筆頭に、80打数以上の主力7人全員が打率3割超えで同球場では平均5・3点の猛打を見せている。



