逆転のコイだ。広島が9回の丸佳浩外野手(27)の決勝弾で勝った。1点ビハインドの8回に鈴木誠也外野手(21)の17号ソロで追いつき、9回に丸のアーチで守護神を沈めた。これで12球団でもっとも多い今季34度目の逆転勝利。巨人が敗れたためゲーム差を6・5に広げた。早ければ16日に待望の「マジック25」が点灯する。
耐えて耐えて、逆転が生まれた。1点を追う8回。恐怖すら与える弾道が、左翼スタンド上段に突き刺さった。鈴木がDeNA三上のスライダーを完璧に捉えた。「つなごうという意識だった。良い角度でバットが入った」。チームトップの17号ソロは、苦しめられた石田が降板した直後に出た。3回に投手野村が放って以来の安打で同点。試合が動き始めた。「神ってる」男の1発に乗せられて、9回に丸が山崎康から決勝14号をたたき込んだ。
中盤まで我慢の連続だった。今季これまで4戦0勝2敗を喫している石田に、低めのボールを振らされ、凡打の山を築いた。丸が1回に「詰まったが覇気で落とした」と先制左前打を放ったが、2回以降はさっぱり。緒方監督も「なかなか絞りづらい投手。開幕からずっと打てていないよな。低めを振らされた」と脱帽。だが85球で投手が代わり、一気に襲いかかった。「意地を見せてくれた。さすが、すごいよね。誠也と丸。特に今日は丸」と指揮官がたたえる攻撃だった。
これで2夜連続、今季34度目の逆転勝利。2位西武の29試合を大きく引き離し、12球団最多だ。
「今」を耐えてこそ、その先に喜びがある。
前日の試合前、作戦を指示するホワイトボードに書かれた言葉だ。打てなくても、耐える。ビハインドの先には、きっと光がある。意地の連勝で貯金を再び20に乗せ、2位巨人と6・5ゲーム差に離した。優勝へのマジックは最短16日にも点灯する。「今日も紙一重のところだった」と指揮官は冷静だった。25年も待った歓喜へ。耐えて耐えて、最後に笑う。【池本泰尚】



