日本ハム増井浩俊投手(32)が自身初の2桁勝利をマークした。ロッテ戦に、引退登板だった武田勝に続き2番手で登板。3回2/3を1失点で10勝目を挙げた。シーズン途中に守護神から先発転向の今季、チームでは有原、高梨、大谷に続き4人目の2桁勝利到達となった。日本シリーズ進出へ、クライマックスシリーズのファイナルステージ(12日~、札幌ドーム)でも主軸になる。

 去りゆく右手から、白球を受け取った。増井は、魂を受け取った。現役最後の登板を終えた武田勝の思いを引き継ぎ、マウンドに立った。「勝さんのような投球をしたいと思ってきた」。守護神でスタートした今季は、不振で2度の出場選手登録抹消。2軍生活でベテラン左腕と過ごした時間も、長かった。熱い思いを秘め、右腕を振った。「今日も勝さんのように、やるぞ」。

 譲り受けたバトンを、丹念につないだ。興奮状態に満ちたリーグ優勝後の初の本拠地・札幌ドームのマウンド。3回に田村にソロを浴びたが乱れなかった。3回2/3を、本塁打だけの1安打1失点。8月18日オリックス戦から自身7連勝を飾った。「勝さんのようにいったかわからないですけど、良かった」。先発の「新戦力」として、逆転優勝に貢献した。球団のシーズン記録更新の87勝目、自身初の2ケタ10勝で締めた。栗山監督は「本当にすごいシーズンだった。野球の神様が頑張ってくれている人には、勝たせてくれる」と感慨深げに白星を喜んだ。

 試合後の武田勝の引退セレモニーでは、投手陣代表の1人として花束を渡し、固い握手を交わした。優勝ペナントを持ち、球場を一周したときには「ファイターズファン、サイコー!」と絶叫。12日から始まるCSファイナルステージ(札幌ドーム)でも、先発陣の一角として力を注いでいく。「先発だと1試合。勝ちきれるように全力でいきたい」。激動のシーズン、新たな夢の「日本一」に向かって。【田中彩友美】