26日に胸腔(きょうくう)鏡による縦隔腫瘍摘出術を受けた巨人内海哲也投手(34)が29日、都内の病院を退院し、すぐさまトレーニングを再開した。予定より1日早い退院で、病院からそのままグラウンドに向かった。「少しずつ」とウオーキングから始め、ストレッチなどで体を動かした。

 内海 ご心配をおかけしましたが、僕はこの通り、元気ですよ。

 衝撃的な通告から、約2週間での復帰劇だった。14日に右胸骨の内側に腫瘍があるのが発見され、22日の診察で手術日が決まった。手術当日は「(傷が)痛くて30分おきぐらいにナースコールを押しそうだった」と苦しんだ。だが、2日後には病院内の施設を約2時間ウオーキングできた。この日は「痛みも全然ないです」と笑顔で話した。

 執刀医からの言葉に背中を押された。腫瘍はテニスボールほどの大きさだったが、術後の影響はないという。執刀医からは「来年は18勝。(野球人生が)5年は延びた」と太鼓判を押された。現状では、1月6日からの沖縄自主トレも初日から参加できる見込みだ。「球団、チームメート、家族、みなさんに感謝です」。恩返しを期して、マウンドに上がる。【久保賢吾】

 ◆縦隔腫瘍(じゅうかくしゅよう)左右の肺の間を縦隔という。心臓、胸部大動脈、食道、反回神経、気管など多くの臓器が詰まっている。腫瘍とは「できもの」のこと。縦隔にできた腫瘍を縦隔腫瘍という。さまざまな種類があり「胸腺腫」「甲状腺腫」「奇形腫」「神経性腫瘍」などが代表的。野球界では今年3月、二岡コーチ(巨人)が摘出手術を受けた。