ひと足先にキャンプイン? 広島大瀬良大地投手(25)が30日、春季キャンプへ向けて荷物をまとめた。この日、練習時間を割けなかったため、キャンプ地へ移動する今日31日の朝に練習を行うことを決めた。ケガで離脱した昨春の経験を生かし、今年は万全の状態で日南入り。先発の座を奪い取る準備は整った。

 笑顔にも緊張感が出てきた。春季キャンプへ向け、大瀬良は荷物をまとめた。不安を抱えながら広島をたった昨年とは違う。順調な調整と昨年の苦い経験が、確かな1歩へと変える。合同自主トレ打ち上げとなったこの日は、所用で練習時間が取れなかったため、今日31日に早朝練習を組み込んだ。異例とも言えるキャンプ前日の練習移動は状態の良さと、シーズンへの覚悟を表している。

 「昨年とは感覚も状態もまったく違う。いい形で入れれば、いい形で終われると思う」

 再転向となる先発の座をつかむため、キャンプ全日程完走は最低条件となる。昨春は初日から2日連続でブルペン入りするスタートも「(新球種の)フォークを多めに投げたり、11月12月と投げなかった影響で投げ方がオーバーワークになっていたところがあった」と振り返る。投球フォームを崩し、投げれば投げるほど悪循環にはまった。2次キャンプで右肘痛を訴え離脱。日本代表も辞退した。

 キャンプ中の離脱は、シーズンにも大きく影響した。7月の初登板初先発は3回4失点。即降格となり、中継ぎ転向となった。「昨年はなりふり構わずにやった結果、ケガしてしまった。ケガをしてしまってはどうしようもない。うまくコントロールしながらやりたい」。ケガなくキャンプを乗り切る先に、再転向する先発争いが待っている。

 今オフは筋力強化と並行して、ほぼ毎日投げてきた。投げながら感覚をつかむタイプと再確認。昨年は筋力強化で肩の可動域に影響が出るも、今年は肩の状態も上々。昨春多投したフォークは改良を重ね「ブルペンでは確率が良くなかった。あとは打者に投げて調整していくだけ」と、めどが立った。先発返り咲きへ、準備は万全だ。【前原淳】