緩急自在の投球がさえ渡った。開幕投手が決定している楽天岸孝之投手(32)が、広島打線を7回4安打無失点に封じ込めた。球数は89球。「7回100球くらいで考えていた」が、それを上回る省エネ投球で任務を完遂した。

 岸の投球を安定させたのは、代名詞のカーブだった。序盤はボールが高めに浮いていたが「(キャンプから)体の使い方が徐々によくなってきた」という手応えがあるから、不安はなかった。5回、先頭のペーニャを低めのカーブで、この試合最初の三振を奪い、調子を取り戻した。「あそこから低く投げられるようになった。真っすぐがちゃんといっていたから効果があった」。7回無死一、二塁のピンチでは、エルドレッドをこの日最速の145キロの速球で三振に仕留めた。「内容よりは、それなりの結果が欲しかったので、ホッとしています」。無失点を収穫と受け止めた。

 故郷の球団に移籍1年目。開幕投手も任される。重圧は感じている。キャンプから「日に日にどころか、最初からプレッシャーですよ」と本音も漏らしてもいた。梨田監督は「どんな結果でも信頼は変わらない」と言うが、岸は「納得することはない」と気を引き締める。開幕時には楽天に新しい「絶対エース」が誕生するはずだ。【田口元義】