虎投が一丸となって緊急事態をしのいだ。守護神ラファエル・ドリス投手(29)が右肩の張りを訴え、登板回避が決定していた一戦。高橋聡文投手(33)が抑え役を務め、9年ぶりのセーブを挙げた。つないで、つないで、つかんだ1勝。ドリスも幸い軽傷のもようで、強力投手陣はそう簡単に崩れない。

 甲子園にいつものように「あと1人コール」が鳴り響いた。9回2死走者なしの場面。中日大島を内角直球でレフトライナーに仕留める。笑顔で女房役の梅野とハイタッチしたのは守護神ドリス…ではなく高橋だった。中日時代の08年8月12日広島戦(広島市民)以来、9年ぶり、通算2つ目となるセーブ。報道陣に囲まれた高橋は「新鮮でしたね」と笑った。

 舞台裏ではアクシデントが発生していた。4月に月間10セーブを挙げたドリスが肩の張りを訴えた。前日4月29日には今季14試合にして初めてセーブ失敗。苦悶(くもん)の表情を浮かべて降板した。幸い重傷ではなかったが、首脳陣は移動日の今日1日を含め2日間の休養を決断。まさかの緊急事態。守護神不在のピンチを救ったのは、プロ16年生だった。

 落ち着き払っていた。8回に北條の勝ち越しタイムリーで1点をリードすると9回から登板。代打杉山、続く京田をテンポよく斬ると、この試合で通算1000安打をマークした大島もあっさり料理。金本監督は「9回勝っている場面で投げることはあまり経験がないと思うけど、彼の修羅場をくぐってきた強さというものを見せてくれた」と最敬礼だ。

 高橋は記憶をたどるように上を見上げた。「(08年の1セーブ目は)確かあの時は山本さん(山本昌氏)の後。広島でした。その時はすごく緊張したんですけど…」。中日、阪神と2球団でこの試合が通算466試合目の登板。いつもとは違う持ち場でも、緊張とは無縁だった。

 先発能見からバトンを受けて岩崎、桑原、高橋が無失点リレー。ドリス不在の逃げ切り勝利に指揮官は「めちゃくちゃ大きいです」と声をはずませた。この日見せた虎のブルペン力。その中心には11試合で防御率1・17と安定感抜群の背番号41がいる。【桝井聡】