4番は任せた! ソフトバンク工藤公康監督(54)が今日18日に本拠地ヤフオクドームで開幕するパ・クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージの4番打者に内川聖一外野手(35)を起用することを明言した。7月に左手親指を骨折し、シーズン終盤の出場が4試合と復帰までブランクがあったが、状態も上がっていると判断した。工藤監督は「全部勝つ」と改めて全勝宣言。3位から勝ち上がってきた楽天を一気にたたく決意だ。

 大勢の報道陣に囲まれた工藤監督がはっきりと口にした。

 工藤監督 内川は4番でいく予定にしています。状態も上がってきて、集中力、CSにかける思いが伝わってくる。顔を見てもいきいきしている。4番でいいと思います。

 リーグ終盤で4番に起用した打撃2冠(本塁打王、打点王)のデスパイネではなく、工藤政権本来の4番である内川に任せた。内川は7月23日ロッテ戦で剥離骨折した左手親指に、まだ痛みは残るが、プレー自体には問題ないまでに回復。12日の紅白戦では左翼へ本塁打を放っている。「早く始まってほしい。やるべきことはすべてやってきた。後悔はない」と、CS開幕を心待ちにしていた。

 2年前、15年のCSでは内川が3戦連続V打を放ち3連勝(プラス1勝のアドバンテージ)で突破した。CSは11年、15年と2度MVPを獲得。CSでの複数回MVPは内川しかいない。過去のCSは96打数35安打、打率3割6分5厘、3本塁打、16打点。短期決戦にはめっぽう強い。「毎回、相手が違うので同じだとは思っていない。過去は関係ない。(4番への)こだわりは全然ない」と、新たな気持ちで楽天との決戦に挑む。

 今季は頸椎(けいつい)捻挫、左手親指骨折とけがに泣いた。骨折のため7月26日に出場選手登録を抹消されると、9月30日オリックス戦で復帰するまで2カ月も戦列を離れた。「日本一になるチャンスをみんながつくってくれた。恩返しができるくらいの活躍ができれば」と、シーズンでの悔しさをCSで晴らす。

 工藤監督は練習前、選手を集め「自信と誇りを持って戦おう。自分の力、チームの力を信じてみんなで勝ち抜こう」と話した。「初戦はすごく大事。全力で勝ちにいく。1つも負けるつもりはありません」。右脇腹痛で柳田を欠くが、それでも全勝突破する。【石橋隆雄】