えっ、大砲ロサリオから走塁革命!? 阪神金本知憲監督(49)が25日、新外国人ウィリン・ロサリオ内野手(28=韓国・ハンファ)の足にも期待をかけた。韓国で2年連続3割30発100打点のスラッガーは、実は今季10盗塁も記録している。指揮官はR砲について「走塁も必死にやるタイプ」と表現。4番最有力候補の激走連発を計算に入れた。

 ずんぐりむっくり体形のロサリオに、まさかの指令が下された。意外なセールスポイントを明かしたのは金本監督だ。「走塁も必死にやるタイプらしいからね。足もまあまあ速くて。走塁も期待している」。公称で身長180センチ、体重99キロ。来季の4番最有力候補に「走塁革命」でもチームを引っ張ってもらう考えを明かした。

 金本監督 やっぱり(安打で)一塁から三塁に行ってほしいしね。鈍足でも走塁に対する意識があれば自然とスタートを切るし、相手のポジショニングを見て判断して行ける。そういう意味で必死に走塁をやってくれれば、外国人選手とベテランがやってくれればチームは良くなる。

 外見に似合わず!? 走れる男らしい。実は韓国・ハンファに所属した今季、119試合出場で10盗塁を記録している。100キロ前後の体重に関しても、指揮官は「走れりゃあ、いいよ。パフォーマンスが出せるんだったら全然、今の体重でいいと思う。適応体重があると思うから」とOKサイン。足にも大きな期待をかける。

 チームは今季、リーグ3位のシーズン70盗塁。一方、2連覇を果たした広島はリーグ断トツの112盗塁を重ねた。数字がすべてではないが、王者の場合、一塁走者が安打1本で三塁を陥れるケースは数え切れないほどあった。カープとの差を埋める作業を続けていく中で、走塁面の向上も避けては通れないポイントの1つ。そこで新助っ人にもさらなる意識改革の一翼を担ってほしい、というわけだ。

 指揮官はロサリオ入団が決まった夜、「今うちに一番足りないのは長打力とか得点力。チーム打率も低いし、得点力が一番の弱点だから」と打力アップをイメージした。もちろん、最重要任務は快音連発になる。その上で足にも計算がたてば、ゲーム終盤も代走を送らずに打線の迫力をキープできる。ロサリオ激走の回数が増えれば増えるほど、虎の「走塁革命」は成功に向かう。【佐井陽介】

 ▼阪神の外国人で「年間10盗塁、20本塁打」を達成した選手は2人。ラインバックは日本通算94本塁打の長距離砲で先発4番も205試合務めた。ソロムコの通算37盗塁は外国人としては球団最多記録。外国人のシーズン球団最多となる22盗塁(82年)を記録したアレンは、在籍2シーズンで先発1番での出場が54試合。リードオフマンタイプだった。近年では11年マートンが、11盗塁17本塁打と活躍。なお外国人のシーズン最多盗塁は、53年レインズ(阪急)の61盗塁。