敗戦の中、22歳の阪神植田が光った。

 初回に巨人吉川光の151キロ直球を中前にはじき返し、4回には左中間へ二塁打を放った。「出塁することを意識した。先頭で回ってくることが多かった中で、塁に出られたのはよかった」。8回のマシソンとの対決では、追い込まれてから2球ファウルで粘り、四球を選んだ。「ファウル、ファウルで四球でも、と思った」。難攻不落のセットアッパーから狙い通りの粘りを見せた。すかさず盗塁も決め、チームの追い上げムードを高めた。

 4月29日の広島戦から、2番遊撃で定着。ヒットがなかったのは、1試合だけ。9戦で5盗塁と機動力向上にひと役買っている。打率3割4分3厘と打撃でも成長の跡を残した。4月は停滞気味だった打線に、植田の存在が勢いをもたらしている。