阪神が“神風”が吹き荒れる横浜でラッキーな白星を拾った。同点の9回。先頭北條がDeNA山崎相手に粘り、詰まりながらも左翼線に落とす二塁打で出塁。その直後だ。代打山崎のバントを正面で捕った山崎が一塁にワンバウンドの悪送球。代走熊谷がホームを踏んだ。期せずして適時失策で決勝点を挙げた。

 連勝を3に伸ばして3位に浮上。今季、横浜では無傷の5連勝だ。金本監督も「北條がな。ラッキーだったな。いいところに落ちたし、最後も」と笑顔を見せた。この日も夜空は気まぐれな風向きだった。まさに「棚から白星」状態だ。同点に追いついた直後の4回2死一塁。北條が放った打球は二塁上空へ。万事休す…。誰もがそう思った打球は、二塁柴田と右翼神里が譲り合う格好になり、間にポトリと落ちる。一塁走者の俊介が勝ち越しの生還を果たした。

 北條は1回、三塁守備でソトの打球を後逸し、先制点を奪われるキッカケを作っていた。それだけに「1回にエラーをして岩田さんに申し訳ない気持ちです。1本打っただけで取り返せると思っていなかった」と気合十分。執念の打撃で9回もチャンスメークするなど、23日広島戦(甲子園)に続く、今季2度目の猛打賞で勝利をお膳立てした。

 リーグ戦再開の22日からの広島3連戦を3連敗。単独最下位に転落したが、横浜で息を吹き返した。金本監督は「(北條はミスを)取り返したと言うんかな。そういうことにしておきましょう」と豪快に笑った。今日29日からは新外国人ナバーロも参戦。関東遠征で、戦陣を立て直している。【酒井俊作】