日本ハムはオリックス17回戦(札幌ドーム)で競り負け、同一カード3連勝を逃した。先発した高梨裕稔投手(27)は6回2安打2失点で降板。数字的には好投も、1点を先制した直後に逆転を許した5回の投球が試合の展開を重くした。その後は追いつくのがやっとで、悪い流れの中でトンキンが8回に勝ち越し点を奪われ、終わってみれば2-8の大敗。明日31日からの道東シリーズ(対ロッテ=釧路、帯広)で仕切りなおす。

 試合後の高梨は、もどかしい思いを素直に吐露した。「点を取ってもらった後の回が、大事なのは分かっているんです。けど、結果的に先頭打者を出したところ。変に意識してしまった」。4回裏にレアードの適時打で先制点をもらった。5回表の投球が、試合の流れを決める。分かっているからこそ、余計な力が入ってしまった。

 先頭の吉田正に四球を与えて動揺した。続く伏見には、高く浮いた142キロ直球を左中間へ二塁打を浴びた。「(先頭への四球後も)次の打者に向かってはいけた。ただ、あそこで真ん中に行ってしまう…。そこは技術不足です」。無死二、三塁とされ、宮崎には高めを狙った直球が真ん中へ入り、同点適時打。安達にも犠飛を許して勝ち越された。勝負どころで踏ん張れなかった嫌な流れは、試合終盤に手痛い結果として返ってきた。

 6回2安打2失点。数字上では好投も「何かが足りないのかなと思う」と、敗戦の責任を感じていた。今季は大事な場面で、意識とパフォーマンスがシンクロしない。この日も4回までは完全投球だった。「調子は、そこまで良くなかった」という中で微修正しながらアウトを重ねたが、課題を露呈した。

 栗山監督は「ボールは悪くないし…。もちろん、いいは、いいんだよ。(試合の)前半は。ずっとね…」。続く言葉は飲み込んだ。16年に10勝を挙げたように、力量に難があるはずもない。ペナントレースは、いよいよ勝負どころを迎える。勝ちきれないトンネルを抜けた高梨の快投が、2年ぶりの優勝には必要不可欠だ。【木下大輔】