支えてきたカーブを、外角低めに。6回1死一塁。阪神先発のランディ・メッセンジャー投手(37)が広島の主砲鈴木からハーフスイングの空振り三振を奪った。日本通算1416個目の奪三振。郭源治を抜き、歴代外国人単独トップに躍り出た。歴史に名を刻んだが「クールだね。でも…。チームが負けたから悔しいよ」と笑顔はなかった。

6回4安打3失点の力投。低めを丁寧に突き「日本に来て磨きなおした」と語るカーブで緩急も抜群。1回に四球で走者を出した以外は、4回までパーフェクト投球。「クオリティースタートは出来たし、調子も良かったと思う。5回のあのイニング以外はね…」と振り返った。

だがエアポケットにはまったように、5回に打たれた。先頭鈴木に左前打で初安打を許すと、続くメヒアに同点2ランを被弾。追い込んでから捕手梅野の要求通りに高めに投じたが、左翼スタンドまで運ばれた。「直前のフォークの空振りを見て、目線を変えようと。配球は間違ってなかったし、少しのずれはあったけど。うまく打たれた」。続く安部にも安打を許し、会沢に適時二塁打を浴びた。

白星が遠い。日米通算100勝に王手をかけたのが、8月10日DeNA戦。そこから7戦で白星から遠ざかる。10年途中に先発転向後、自己最長のブランクだ。シーズンは残り8試合。残る登板で、記録を達成して締めくくりたい。【池本泰尚】

▼阪神メッセンジャーが6回3失点で降板。これで7試合連続で勝ち星がない。10年途中に先発転向後、勝ち星の最長ブランクは15年9月10日から16年3月31日までの、シーズンをまたいでの6試合だったが、これを上回った。なお、同一シーズンでの最長ブランクは13年5月~6月の5試合。

▼メッセンジャーが6三振を奪い、通算の奪三振数が1416個。奪三振の通算最多記録は金田(巨人)の4490個だが、外国人投手では郭源治(中日)の1415個を抜いて、歴代最多記録となった。