日本ハム栗山英樹監督(58)が17日、2軍で実戦復帰した清宮幸太郎内野手(19)の1軍復帰の絶対条件に守備が入っていないことを明かした。ストロングポイントの打撃が復調すれば、指名打者や代打として早期昇格も示唆した。清宮はこの日、イースタン・リーグDeNA戦(横須賀)に「3番DH」でスタメン出場した。

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栗山監督は熊本へ向かう前の羽田空港で、清宮が1軍復帰するための条件を明かした。「あまり守っているかとか、こだわらないほうがいいだろ。あいつにチームが何を求めているか。まぁ、打ちゃあ、上がるだろ」。守備では実戦復帰できていない現状だが、守れないことは問わない。「DHで毎日使って打つなら呼ぶっていう話だから」と打撃の状態が上がったと判断できれば、いつでも昇格させる考えだ。

右手有鉤(ゆうこう)骨骨折で出遅れた清宮は、14日の2軍戦で実戦復帰。打撃のみだが、しっかりと打席数を重ねて試合勘を取り戻しつつある。栗山監督は「順調に進んだね」と評価する一方で「まずは、自分で呼ばざるを得ない状況を、あいつが作るかどうか」とも話した。今季、DHでスタメン出場したのは田中賢、中田、近藤、王柏融の4人。故障防止のため守備の負担を減らすことが目的でDH枠を有効活用している。その枠で清宮を積極起用するならば、相応の結果が求められる。

ルーキーイヤーも守れない中で再昇格した実績がある。昨年8月21日ソフトバンク戦(静岡)で緊急昇格し、本塁打も放った。この時は右肘炎症を抱えていたが、チーム状況は負けが込み、起爆剤としての期待もかけられていた。現状のチームは大型連敗はないが、大型連勝もなく、突き抜けられていない。この状況が続くようなら「幸太郎が頑張るしかない」(栗山監督)。早期昇格を目指す清宮がやるべきことは、DHを主戦場に代打としても1軍で結果が残せる状態に上げること。その1点だ。