中日のドラフト3位、勝野昌慶(あきよし)投手(21=三菱重工名古屋)が、プロ2度目の登板で初勝利を挙げた。

7回、先頭のバレンティンに11号ソロを浴び、2死から中村を歩かせて降板。完投は逃したが、7回途中1点に抑えた。チームの連敗を2で止め、先発ローテーション定着へ結果を出した。

「自分の自信のあるボールをどんどんストライクゾーンに投げ込むことができました」。プロ1勝につながった112球を勝野は満足感とともに振り返った。

ヤクルト打線との対決を翌日に控え「意思のあるボールを投げる」と、課題を挙げていた。変化球の失投を防ぐ。カウントを取るのか仕留めに行くのか、考えて投げる。この日、細心の集中力で直球、スライダー、フォークを投げ分けた。神宮では昨年の社会人東京大会準決勝で登板しホンダ熊本に苦杯をなめたが、プロでは初勝利。思い出の地になった。

昨秋、中日が“圧勝ドラフト”と言われたのは、高校球界のNO・1スター、大阪桐蔭・根尾昂と同時に、即戦力の勝野獲得に成功したためだ。三菱重工名古屋を日本選手権王者に導き「日本で1番の投手になる」と大志を抱いて中日へ。背負ったのは、セットアッパーで一時代を築いた浅尾拓也(中日2軍投手コーチ)の41番だ。その背番号に恥じない投手になる。

昨年のクリスマスイブには第1子の長女も生まれた。記念の勝利球は「両親に贈ります」と家族を思う右腕。「(初勝利は)うれしいですけど、始まったばかりなので。次、また勝てるように気持ちを切り替えて」と、視線を次回登板に向けた。【堀まどか】

◆勝野昌慶(かつの・あきよし)1997年(平9)6月12日、岐阜県生まれ。土岐商から三菱重工名古屋を経て、18年ドラフト3位で中日に入団。家族は夫人と1女。183センチ、89キロ。右投げ右打ち。