日本ハム清宮幸太郎内野手(20)が1軍復帰後初のマルチ安打を記録し、逆転勝利に大貢献した。

西武戦(メットライフドーム)の6回に右翼線へ二塁打を放ち、2点目のチャンスメークをすると、7回2死一、三塁では中前へ同点適時打を放った。25日同戦では勝負どころで凡退し、苦い思いをしたが、一夜明けてリベンジに成功。上り調子で28日からは本拠地・札幌ドームでのロッテ3連戦に臨む。

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強い気持ちが、打球に乗り移った。清宮が逆転勝利の流れを強く、引き寄せた。1点を追う7回2死一、三塁。「昨日の二の舞を踏まないように」と入った打席の初球だった。低めのボールに食らいつき、中前へはじき返す同点適時打。一塁塁上で、思わず白い歯がこぼれた。

25日同戦での悔しさを反骨のパワーに変えた。24時間前、2点を追う8回2死二、三塁で打席に立った。一打同点、本塁打なら逆転の場面も、結果は三邪飛。試合後、球場を後にする際には「くそー」と吐き出して天を仰いだ。求められる役割は、打ってチームの勝利に貢献すること。「同じ失敗はしないようにと思っていた」。前日の失敗を、この日の成功につなげた。

6回には二塁打を放ってチャンスメークし、中島の適時二塁打で2点目のホームを踏んだ。この日の2安打は、ともに初球を打った。「自分らしさかなと思う」と振り返ったように、打てる球を積極的にとらえにいく姿勢が結果につながった。昨季は打てない球に手を出すケースも目立ち、栗山監督から課題の1つに挙げられていた。故障で出遅れはしたが、着実なステップアップを予感させる2安打だった。

前夜は家族とともに20歳を祝い、軽くビールにも挑戦。勝負どころで打てなかった苦々しさを、大人の嗜みで流し込んで、勝利に貢献した。前日は感じられなかった「充実感があります」と笑顔を見せた上で「まだまだ振れてはいない。これから振っていって、調子を上げていきたい」と続けた。次は、本拠地の札幌ドームでチームを勝利に導く。【木下大輔】