日本ハムのドラフト1位、吉田輝星投手(18)がプロ初登板を果たした。

吉田輝の名前は柔道男子日本代表の井上康生監督(41)にあやかって名付けられた。父正樹さん(43)によると「シドニーオリンピック(五輪)を見ていてひきつけられました」。「こうせい」の響きを「思い浮かんだ」漢字にあてたという。名前の由来となった井上監督が、吉田輝にエールを送った。

00年シドニー五輪柔道男子100キロ級金メダリストは「勝ちを得るためにも今、自分が持っている力を精いっぱい発揮してもらい、満足のいく内容にしてもらいたいと思います」と話した。もちろん「勝ち続けることが一番」だが、敗戦が成長の糧となることも知る。

井上監督は、東海大相模3年の高校総体神奈川県予選決勝で敗れた。98年の全日本選手権決勝で篠原信一に敗れたことを機に肉体改造。その後、世界を制した。「吉田選手も甲子園決勝で負けを味わったことで、成長しているのではないかと思います。敗れたり、失敗したり、挫折したりすることは必ずあります。その時、どれだけ自分自身を分析し、成長への糧にしていくかが、とても大事ではないかと思います」。心得は、柔道にも野球にも共通するはずだ。

吉田輝は来年の東京五輪で代表入りを目指す。「ともに戦えるのであれば、我々にとってはうれしい」。最後に「星のように輝いていけるような存在であり続けてくれることを、心から期待しております」と願った。【上田悠太】