毎週火曜日の企画、第4週は2軍で奮闘中の阪神ナインにスポットを当てる「鳴尾浜便り」です。

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目指すは、夏までの「3ケタ卒業」だ。阪神育成選手の石井将希投手(23)は、今季ウエスタン・リーグでチームトップの25試合に登板。中継ぎで23回を投げ、防御率は1・57と安定している。

「昨年よりは、思い切って投げようと思って、それがマウンドでもできている。そこが、自信にもつながっている」

2年目を迎えた今季。背番号3ケタ卒業へ、大きな勝負に出た。香田コーチの助言もあり、昨秋からフォームを改造。右足を高く上げ、軸となる左足に体重を乗せるフォームに変更した。今は手応えも感じている。「元々はセットポジションで投げていた。でも、フォームが小さくまとまっていたので、今年からダイナミックな投球を意識した。体を大きく使ってみようと思って、取り組みました」。その後は同じ左腕の高橋建2軍投手コーチの指導を受け、着実に成長した。「(フォームは)だいぶ固まってきた。自分のものになってきている。ピッチングも安定してきたと思います」。

現在チームの支配下選手数は「67」。残り3枠空いている。期限は7月末まで。「(支配下)登録を目指しているだけでなくて、1軍のマウンドで投げることが目標。ここからも最大限の力を出したいです」。吉報が届くことを願い、ひたむきに腕を振る。【取材・構成=真柴健】

◆石井将希(いしい・まさき)1995年(平7)7月12日、群馬・高崎市生まれ。小学4年から野球を始め、佐野中で軟式野球部に所属。桐生第一では甲子園出場なし。上武大で2年春からリーグ戦に出場し、4勝を挙げ最優秀新人賞獲得。持ち球はカーブ、スライダー、チェンジアップ、フォーク。180センチ、87キロ。左投げ左打ち。