ブルペン改革だ。広島佐々岡新体制の秋季キャンプが宮崎・日南市で始まった。15投手が投球練習を行ったブルペンでは、いきなり新監督の色が見られた。

捕手の後方にカメラを設置してブルペン脇のパソコンで投手が投球間に映像を確認できるようにした。さっそく薮田和樹とケムナ誠の2投手が20球ずつ交互に5セットのインターバル投球。提案者の横山竜士新投手コーチは「イニングの入りを意識してほしい。先発だけでなく、中継ぎでも回またぎがある。苦手意識を改善したい」と狙いを説明した。各セットの初球に高い意識を求め、セットごとに課題も提示。1球1球に意味を持たせた。

横山コーチは「メリハリがある。自分の映像だけでなく、相手の投球を見ても勉強になる。競争心も出てくると思う。(練習)時間はかかるけど、そこに時間をかけてもいい」。自分の投球を客観視してすぐにアウトプットできる即効性がある。

薮田は「自分は投げ続けることで意識できることもある」と多少の戸惑いを感じていたが、ケムナは「新鮮かつ面白い。やっていて自分は楽しかった」と手応えを口にした。今キャンプ中に参加する全17投手が行う新たな試みでリーグ4連覇を逃した投手陣の底上げを目指す。【前原淳】