巨人ドラフト6位で山形・遊佐町出身の伊藤海斗外野手(18=酒田南)が、野球偏差値アップで「アナコンダ」の異名を持つ長打力をプロ仕様にする。

17日は雪の影響により、川崎市内のジャイアンツ室内練習場で実施した新人合同自主トレに参加。打撃練習に加え、結果に結びつく術の勉強を徹底してレベル向上を図るつもりだ。岩手・花巻市出身で同1位の堀田賢慎投手(18=青森山田)と東北人ルーキー2人が、切磋琢磨(せっさたくま)しながらアピールを続ける。

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伊藤の心は熱かった。豪雪の地元庄内地区では日常だった雪が降る景色に「雪を見ると少し元気になりますね」と気持ちも高揚。

「バッティングが自分の売り。金属と木製では全然違う。最終的にはフルスイングでボールを捉えられるように持っていくつもり」。

187センチ、88キロの体格から豪快な強振で高校通算36本塁打。この日の練習でも寒さ厳しい中、2月1日のキャンプインに向けた準備を着々と進めた。

高3時には内角速球に対応するため、コンパクトさを求めて、体に巻き付くような「アナコンダ」フルスイングが影を潜めた時期もあった。

だが、魅力ある本来の姿で勝負することを決断。「今はまだ、芯で当てることを意識。金属ならどこに当たっても飛んでいくが、自分は力みやすいので、間の取り方やスイング軌道なども、しっかりたたいて仕留められるように修正したい」。

センター返しを基本に、ボールにドライブ回転がかからない捉え方を重視して打撃練習を継続している。

前日17日には大学入試センター試験に臨む同級生に「テスト頑張れよ」とメッセージを送り、自身にも刺激を与えた。

「自分は勉強は苦手なので高校で終わり。でもこれからは野球IQは高くしていかないと。今は偏差値30くらい。赤点ギリギリ」と苦笑い。同期の堀田が米メジャーリーガーの投球映像を参考にしていることを直接聞き、「自分もメジャーリーグの左打者で参考になる人を探しています」。1軍で結果を出すための勉強は怠らず、“合格”をつかみとるつもりだ。【鎌田直秀】