ソフトバンク和田毅投手(39)が、高校球児への「救済策」を提案した。21日、ペイペイドーム(福岡市中央区)での練習後に、オンライン取材に応じた。

夏高校野球の中止を受け、あくまで個人的な意見としながら、地方大会を実施し優勝したチームには甲子園を実感させる機会を与えてもらいたい意向を口にした。全国の球児を励ます意味でも、自身が覚悟をもって開幕へと準備する。

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ベテラン左腕が、思いの丈をオンラインに乗せた。20日に今夏の甲子園中止が決定。全国球児の目標が失われ、最後の夏となる3年生がモチベーションを失いかけている。元球児でもある和田が、自らのプランに熱い思いを込めた。

「あくまで個人的な意見ですが、地方大会が全国でやれるのであれば、そこで優勝したチームには1時間でも30分でもいいので、甲子園で過ごさせてあげたい。試合はできないまでも、土を持って帰るでもいいし、そこで卒部式をしてもいいし、優勝した思い出を作れればと。球場使用の問題、移動の問題などはあると思うので難しいかもしれませんが、自分の頭で妄想はあります」

自身も浜田高エースで夏の甲子園を経験。いまでも島根県の実家には土とユニホームを保管している。「球児にとって甲子園は特別な場所だし、地方大会をぜひしてもらって、最後の大会をやらせてあげたい」。目標を失いそうになっている全国の球児への熱い思いを続けた。

さらにプロ野球選手会が球児への支援として寄付を検討していることに触れ「ボクとしても協力したいし、これを機にプロとアマの関係も雪解けとなればいい。今の高校3年生が自分たちの代がきっかけとなったんだと思えるようになればいい」と前向きにとらえる提案も口にした。

チームはこの日、ペイペイドームでシート打撃が再開された。22日の12球団代表者会議次第ではあるが、和田はシート打撃には登板せず、25日か26日に予定されている紅白戦で2イニングを投げる予定。「6月19日に開幕が決まったとしても、問題ないというくらいには仕上がっている」と自分自身の調整には手応えを感じている。

「開幕した時は、自粛期間があってもプロはこんなプレーができるんだと思ってもらえるようにしたい」

ショックをぬぐえない球児への励ましの意味もこめて、開幕した時には、ベテラン左腕は覚悟をもってマウンドに上がる。【浦田由紀夫】

○…和田は浜田高(島根)の先輩であり、新型コロナウイルス感染で入院していた梨田昌孝氏(66=日刊スポーツ評論家)の退院を心から喜んだ。「PCR検査で2度陰性が出たときに連絡をいただいた。ホントに良かったと、ホッとしました。本当にうれしかったです」と話した。