<関甲新大学野球:上武大12-5常磐大>◇第1節ファーストラウンド◇5日◇平成国際野球場

関甲新大学野球秋季リーグ戦が開幕し、上武大が12-5で常磐大に勝利した。

プロ注目の最速155キロ右腕、佐藤蓮投手(4年=飛龍)がリーグ戦デビューを果たした。1年冬に右肘を手術。今夏、8月30日のロッテ2軍戦で155キロを計測し一躍注目の的に。未完の大器がベールを脱いだ。

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9回、マウンドに上がった佐藤は大きく深呼吸し気持ちを整えると147キロの真っすぐを投げ込んだ。1イニングを投げ1安打1三振、無失点でこの日の最速は148キロ。「相手が真っすぐを狙っていたので変化球中心で投げた」。最後の打者は得意のフォークで空振り三振にとった。3球団のスカウトが見守る中、最速155キロを封印し、新たな一面をアピールした。コロナ期間中にテークバックを小さくし、力が伝わるフォームに修正すると急速がアップ。制球力も増した。

恵まれた体格ながら優しい性格が欠点と言われ続けた。登板機会に恵まれず、プロ野球の夢をあきらめそうになったことが何度もある。そんな時、いつも谷口英規監督(51)が「気持ちを入れて投げれば大丈夫だ」と声をかけてくれた。「今日も、強気で投げると言い聞かせて投げた。少しは強くなったかな」とニッコリ。プロ志望届を提出予定。「プロ一本で考えています」。最初で最後のリーグ戦で、人生の勝負をかける。