ファンに愛された男が、杜(もり)の都でユニホームを脱ぐ。楽天渡辺直人内野手兼1軍打撃コーチ(39)が今季限りで現役を引退することを決めた。

12日、球団が発表した。トレード、戦力外、2球団を経てプロ14年目での決断。日刊スポーツ楽天担当Twitter(@nikkan_eagles)にもファンから多くのメッセージが届いた。13日に仙台市内で会見が行われる。

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東北、仙台、全国のファンから愛された渡辺直が引退を決意した。今年7月に開設された日刊スポーツ楽天担当Twitterではこの日、渡辺直へのメッセージを募集。あふれんばかりの愛が多数、集まった。

「直人さんがいたから楽天ファン、プロ野球ファンになりました。ずっと私のマイヒーローです」

「ガッツあるプレーが大好きでした。一緒に優勝しましょう!」

「『人望』という言葉がユニホームを着て野球をしているような、チームの精神的支柱だったと思います」

「楽天にいなければならない存在です! これからも楽天を引っ張ってください!」

「帰ってきてくれた時は本当に!本当に!うれしかったです!これからもずっとずっと永遠にイーグルスにいてほしい!」

「生涯楽天でチームを支えてください!」

「直人!愛してる!」

楽天創設2年目の06年に大学・社会人ドラフト5巡目で入団。1年目から4年目の10年まで100試合以上の出場を続けた。同年オフ、横浜(現DeNA)へ金銭トレード。涙を流した鉄平、嶋をはじめ、多くのチームメートが惜しんだ。13年には西武へ再びトレードされ、17年に戦力外通告を受けた。

同年オフ、8年ぶりに楽天へ戻った。外から見た古巣はどのように映っていたのか。

「球場にファンの方もいっぱい来るようになっていましたし、チームの活性化、球団としての盛り上がりを感じていました」

今季から1軍打撃コーチを兼任。伸び盛りの若手育成にも力を尽くしながら、自らもバットを振り続けた。「ファンの方あってのプロ野球。ファンの方に愛されるような、応援してもらえるような選手に1人でも多く育ってほしい」。未来のイーグルスへ、夢をつないでいく。【桑原幹久】