123番目の男が、プロで下克上を果たす。今秋ドラフトで巨人から育成12位、全体123人目の大トリで指名された東海大海洋の加藤廉内野手(21)が5日、同大で指名あいさつを受けた。訪れた巨人青木高広スカウト(38)から原辰徳監督(62)直筆の色紙を渡され「偉大な方からいただいたので、うれしい。(期待に)プレーで応えていきたい」と笑顔を見せた。

俊足巧打に定評のある遊撃手で、遠投115メートルの強肩を武器に、広い守備範囲を誇る。憧れの巨人坂本勇人内野手(31)の後釜を目指し「まずはケガをせず、プロで通用する体をつくりたい。その上で、自信のある打撃をアピールしていきたい」と抱負を語った。

実力は青木スカウトも太鼓判を押す。「身体能力の高さが魅力。何か1つのきっかけで変わると思う」。恩師である同大の手塚慎太郎監督(45)も期待を込め、「巨人は“紳士”のイメージだが、その部分の指導はしてこなかった。うちの野球部は土のグラウンドで練習しているので、うちの選手らしく、泥んこが似合う選手になってもらいたい」とエールを送った。

まずは激しい競争を勝ち抜き、支配下登録されることが目標だ。加藤は「巨人は2、3軍にも力のある選手が多い。負けないようにしたい」と気を引き締める。プロとしてのキャリアは最下位からスタートだが「東京ドームのショートを守ることが、夢であり目標。実現させるために努力していきたい」と、力強く決意を示した。【河合萌彦】

◆加藤廉(かとう・れん)1999年(平11)1月12日、島田市生まれ。小2から五和クラブで野球を始め、金谷中時代は小笠浜岡シニアに所属。島田工高では高校通算10本塁打。東海大海洋ではリーグ戦通算4本塁打。50メートル走5秒9。遠投115メートル。右投げ左打ち。181センチ、80キロ。血液型O。家族は祖母と両親、兄、弟。