ソフトバンクが今季9度目の完封負けで2連敗を喫し、首位チームとのゲーム差が今季最大の「6・5」に広がった。ホークスとしては、南海時代の1964年(昭39)に逆転優勝した最大ゲーム差「6」のデッドライン越え。今季は残り32試合。リーグ2連覇へ絶体絶命のピンチに陥った。

日本ハム立野の前に7回途中2安打無失点と沈黙。伸びのある直球と鋭く落ちるフォークに手を焼いた。前日は投壊で17失点の大敗。一夜明けは今季最多3併殺の貧打に泣いた。工藤公康監督(58)も「うちは特にフォークボール、落ちる系は振ってしまう。そこを振らないように(コーチから)指示してもらっていると思う。ただ、バッターの人はストライクに見えているから振っている」と、脱帽するしかなかった。

大誤算の所沢、札幌遠征になった。7、8日の5位西武2連戦は1勝1敗で、最下位日本ハム3連戦は2敗1分け。落とせない下位球団との5試合は1勝3敗1分に終わった。オリックスが敗れて自力V消滅こそ免れたが、土俵際に追い込まれたことは間違いない。

14日からは首位ロッテとの本拠地で3連戦。大逆転Vへの夢をつなぐべく、先発ローテを再編する。後半戦4戦4勝のエース千賀を中5日でカード頭へ。15日は中継ぎだったスチュワートを挟み、16日は7勝でチーム勝ち頭のマルティネスが中5日で先発する。3連勝がほしい3連戦で、投手陣の柱2人が登板間隔を詰め、首位をたたきにいく。工藤監督は「勝負どころになってくる」と力を込めた。4年連続日本一軍団の意地が試される。【只松憲】

◆南海の64年6ゲーム差逆転優勝 ソフトバンクの前身南海はこの年、3月から4月にかけ5連敗するなど低迷。首位阪急に4月24日から2連敗し、ゲーム差は6まで開いた。夏場に入ると杉浦忠、スタンカの両エースも復調。7、8月は31勝16敗と勝ち進んだ。その後ペースダウンしたものの、なんとか逃げ切りVを果たす。72盗塁で4年連続タイトルの広瀬叔功、主砲の野村克也も本塁打と打点の2冠と打線をけん引した。もっとも同年は年間150試合で、6差がついた時点では115試合も残っていた。あと32試合しかない今季は苦しい状況だが果たして。