巨人北村拓己内野手(26)が気迫の“10秒台”アーチで反撃ムードを加速させた。2点を追う5回無死、代打で登場。カウント2-1からの4球目、ヤクルト高橋の147キロを左翼席中段へ4号ソロを運んだ。インパクトから本塁生還まで19秒。4回、ソロ弾を放った坂本の27秒、中島の23秒を大きく上回る“スピード”でダイヤモンドを周回し、速攻でベンチに戻ると拳を握って「よっしゃー!」と喜んだ。

地元金沢での6月22日DeNA戦で今季1号で錦を飾った。定位置争いに名乗りを上げたが、ほどなくして快音がピタリと止まった。「打てなくて悔しい思いもしたし、このままではいけないとずっと思っていた」と2軍降格からはい上がってきた。この日の一打は7月11日阪神戦以来、約2カ月ぶり1軍での安打。自身初の代打本塁打に「久々にいい感触でした」と、やっとチームに貢献できた。

優勝争いは大詰めへと差し掛かっていく。先発出場からは1カ月以上、遠ざかるが「試合に勝ちたい気持ちで常にいる。気持ちを出してやっていきたい」。途中出場でも気構えは変わらない。全速力で虎と燕を追う。【小早川宗一郎】

▼巨人坂本(7回1死満塁で同点に追いつく2点適時二塁打など2安打3打点1本塁打)「つないでくれた大事なチャンスで、ランナーをかえすことができて良かったです」