日立製作所が3人の継投で勝利し、3年連続39回目の本大会出場を決めた。2番手の元ヤクルト田川賢吾投手(27)が、2回を無安打無失点に抑えて勝利投手となった。

6-1の4回からマウンドへ。球場のスピードガンで最速145キロをマークした直球を軸に、2回を無安打に抑えた。

勝利の瞬間にはスタンドから紙テープが舞い、グラウンドには歓喜の輪ができた。喜びをチームメートと分かち合った田川は「うれしいです」と笑顔を見せた。

12年ドラフト3位で入団したヤクルトでは、育成も経験。昨年11月2日に戦力外通告を受けてから11カ月。今年は第1子となる長男も生まれ、守るべき家族も増えた。元プロ野球選手の肩書とともに入社し、プレッシャーもある中でチームの最大の目標である都市対抗出場をつかんだ。「取りあえずですが、ひとまず良かったなと思います」と安堵(あんど)の表情だった。

高知中央からプロ入りし、今年から初めての社会人野球の世界へ。シーズンを通しての結果が重要視されるのがプロ。一方で、社会人野球では日本選手権と都市対抗出場というチームの目標があり、そこに向けての調整が必要になる。今年、1度は調子を落とした田川も都市対抗に照準を合わせて練習を積み重ねてきた。「1年目で、勉強になることばかりでした。プロはトータルで見るけど、社会人では調整が違う。そこが難しかったです」と明かす。

自身にとっては、初めて出場する都市対抗の舞台となる。「目標は、もちろん優勝です」と力強い。個人的には「毎試合、投げたいですね。どこでもいいので、毎試合投げたいです」とフル稼働するつもりだ。