剛速球で華麗に節目を飾った。楽天則本昂大投手(30)が右腕ではNPB史上最速となる通算1448回2/3で、同史上58人目の通算1500奪三振を達成した。左腕を含めた史上最速記録は石井GM兼監督が持つ1413回。

則本昂は残り3奪三振で試合に臨み、1回にマーティンから内角直球で見逃し三振、2回には安田を外角直球で空振り三振を奪うと、最後は岡を外角152キロ直球で見逃し三振。今季150奪三振目で決めた。

「素直にうれしく思います。ルーキーからここまでやって来られたというのがあって今があるので、良かったと思います。この先もけがなくやっていけたらいいなと思います。ここまで、嶋さんから始まって、いろいろなキャッチャーと組んでいろいろな経験ができました。それがあって1500奪三振を達成できたので、本当に良かったなと思います」。

代名詞とも言える三振は、勝利への近道だ。2年目の14年から4年連続の200奪三振、5年連続の奪三振王のタイトルを獲得。17年には8試合連続2桁奪三振のプロ野球記録を樹立した。それでも「三振とは?」との問いにシンプルに答えた。「勝たないといけない。三振を取りたいと思って試合をやっているわけではない」。

どんなマウンドでも、目指すべきものは変わらない。1回2死二塁でレアードに三塁線を抜かれ先制打を打たれると、思わずしゃがみ込んだ。2回終了後、通算1500奪三振達成の記念ボードを掲げたが、笑顔はない。3位からの逆襲にしか、興味はない。【桑原幹久】

 

▼通算1500奪三振=則本昂(楽天) 27日のロッテ25回戦(楽天生命パーク)の2回、岡を見逃し三振に仕留めて達成。プロ野球58人目。初奪三振は13年3月29日のソフトバンク1回戦(ヤフオクドーム)でラヘアから。通算1448回2/3で到達は歴代4位、右投手では06年西口(西武)の1729回を上回るスピード記録。

 

◆通算1500奪三振達成のスピード記録(所属は当時)

1位 石井一久(ヤクルト) 1413回

2位 江夏豊(阪神) 1423回

3位 杉内俊哉(ソフトバンク) 1423回1/3

4位 則本昂大(楽天) 1448回2/3