ロッテ森遼大朗投手(22)が9日に、球団と支配下選手契約を結んだ。4年間の育成契約を経て、2桁の背番号「62」を手に入れた。

森と同じように高校を卒業して育成選手としてロッテ入りした2人も、プロ1年目を終えた。

育成1位の谷川唯人捕手(19=立正大淞南)は予期せぬスタートになった。キャンプインから間もなく、腰に痛みが走った。「お尻に力が入って、そこから動いた時は電気がビリビリって走って…ストレッチとかもきつかったですね」。いきなりの別メニュー調整を余儀なくされた。経験のない痛みだった。

同期がどんどん試合に出る。「うらやましいですし、育成という立場で1年目からアピールしようという中で、他の捕手の方も活躍されているので…落ち込むしかなかったです、正直」と明かした。寮長や先輩のアドバイスもあり、ヘルニア手術を受け、シーズン最後で実戦に出場した。

1歳下のドラフト1位・松川虎生捕手(18=市和歌山)らも入団する。「自分、負けず嫌いなんで。負けてられないというのはありますね」。フェニックス・リーグにも出場。盗塁は7度企図され、三つ刺した。戦う準備は十分だ。

育成ドラフト3位の山本大斗外野手(19=開星)は華やかにスタートした。イースタン・リーグ開幕戦DeNA戦で、初打席初球本塁打デビュー。しかし、シーズンが進むにつて、三振が目立ち始めた。

「なかなか簡単には打てないし。けっこう悩んでいたので」

スイングで手と足が同時に動いてしまう傾向を、福浦コーチに指摘され「足から打つ」を意識したフォームを作り直した。足で我慢しながら、少しずつ調子を戻していった。

良きお手本もいる。2歳上の山口航輝外野手(21)だ。同じ右のスラッガー候補、追うべき背中になる。ただ、谷川と同じことを口にする。「クライマックスでの本塁打も見てましたし、年も近くて、タイプも似てるので。自分も負けず嫌いなので、負けたくないなと思います」。

シーズンで5本塁打すると、秋にはフェニックス・リーグだけで5発放った。全て左翼へ引っ張っての本塁打。「自分は逆方向に強い打球を打てるのが長所だったので、そこはもっと逆方向のホームランを打てる打者を目指していきたいです」と満足はしない。

山本はオフの楽しみに「特にないですけど…雪が見たいですね」と笑った。谷川も同じ山陰出身。17日からは天気予報に雪マークが目立ち始める。冷気を吸い、気持ち新たに2年目へ向かう。【金子真仁】