「メガネの田中」だ。先発ローテ入りを目指すソフトバンク田中正義投手(27)が、宮崎キャンプの紅白戦に初登板し先発で2回無失点と好投した。

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メガネを着用したニュースタイルで、初回は2死から栗原に詰まった当たりで中前に落とされたが、無失点。2回は得意ではなかった一塁けん制で中村晃をアウトにし、甲斐をフォーク、明石は直球でともに空振り三振に仕留めた。最速は152キロをマークし「投げているボール自体は良かったと思う。もっと精度を上げていきたい」と手応えを深めた。

新兵器のメガネは、千賀らとの自主トレ中にヒントを得た。「やれることは全部やりたい。目からの情報で体が動くということを聞いた。やらない手はないんじゃないかなということで、試しています」。1月にビジョントレーニングを専門とする福岡市内の施設を訪れ、精密検査を受けてオーダーメードした。前日11日に届いたばかりで、この日の練習から着用。焦点を合わせる能力など目を鍛えるトレーニングと並行しながら、視機能を補助する効果があるようで「違和感はなかったし、体も良く動いた。やってみる価値はある」。シーズン中の使用も前向きに考えている。

昨季は中継ぎで自己最多の18試合に登板し、6年目の今季は先発で勝負をかける。この日の投球に藤本監督は「今日は田中正義、良かったですね。あのままいってくれたら」と高評価。開幕ローテ入りへ、メガネの田中の視界は良好だ。【山本大地】

球界のメガネ投手

◆ロッテ小宮山 元々はコンタクトレンズを使用していたが、本拠地の千葉マリンスタジアムでは強風が吹くことも多く「風で目が乾いて大変だった」という理由で度の入ったサングラスを使用していた。

◆中日山井 極度の乱視があり、コンタクトレンズでは矯正が難しく、乱視矯正用の眼鏡を着用していた。

◆楽天小山 度の入ったゴーグルを使用。フレームの色を変えたり、マウンドに上がる際にだけ着用するなど験担ぎ、気合注入のアイテムでもあった。