ロッテ田村龍弘捕手(27)は「スクイズが来るとは思いませんでした」と率直に打ち明けた。1-2の5回無死一、三塁で、日本ハム宮田にカウント1-2からセーフティースクイズを決められた。

日本ハム宮田輝星「2度見」サインに驚くも1ボール2ストライクからセーフティースクイズ決めた

「外しのサイン。ピックオフを狙ってました。カウントも良かったので、1回、ピックオフしたかった」と、外しにかかった高めの球を転がされた。場面、カウントなどから、相手が何か仕掛けてくるのではという警戒はしていた。決して油断したわけではない。ただ、3バントスクイズは想定になかった。

もっとも、田村の反省は4回だ。先頭の万波から空振り三振を奪うも、ワンバウンドを止められなかった(記録は暴投)。出塁を許し、次打者の近藤に逆転2ランを打たれた。「あそこ、自分の責任だと思います。(先発の)美馬さんに申し訳なかった。しっかり止めておけば、近藤さんにも、また違った配球になっていた。流れを変えてしまったのが敗因です」としょい込んだ。

この試合、ベンチには5人も捕手が入った(田村、松川、吉田、加藤、柿沼)。田村自身「初めて」という熾烈(しれつ)な争いがある。中でも、ドラフト1位ルーキーの松川が開幕マスクをうかがう勢いでアピールを続けている。田村は「刺激をもらってます」と言って、こう話した。「僕も、まだまだ勝負していかないといけない」。

昨季の出場は70試合にとどまったが、マスクをかぶった経験は現捕手陣では一番多い。勝負勘はピカイチだ。福浦打撃コーチの教えを受けながら、バットでは3回に左越え二塁打を放った。「競争だと思ってます。勝ち抜いて。自分のやるべき事を、やるだけです」と前を向いた。【古川真弥】

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