不振のバットマンが、チームに立ちこめる嫌な雰囲気を断ち切った。楽天鈴木大地内野手(32)が3安打3打点の活躍で、勝利に貢献した。

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試合前時点では打率1割2分5厘、本塁打と打点は0と不振。チームに多数の新型コロナ陽性判定者が出る苦しい中で、頼れる男が結果を出した。

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1月に新型コロナウイルスに感染した鈴木大も、隔離のつらさを知っている。「選手の思いを考えたらすごくやりきれない。くさい話ではないが、いない人の分まで頑張ろうという思いはあった」。チーム内から複数のコロナ感染者が発生する苦しい状況下、仲間のためにより一層、自らを奮い立たせた。

1回2死満塁で迎えた第1打席、カウント1-2から高めの146キロ直球を鋭くスイングした。右翼への適時二塁打。今季初打点を記録し、チームに貴重な先制点をもたらした。「追い込まれてはいたが、なんとかっていう思いはあった。細かくうまく分析するのは難しいが、結果として出たのでそこが一番」。自らも苦しむ中で手応えを得たことで、勢いに乗った。

3回1死一、二塁の第2打席でも中前適時打をマークし、追加点。序盤で試合の流れを引き寄せた。5回の第3打席にも安打を放ち、3安打猛打賞。不調を振り払う今季初のマルチ安打となったが「打てるに越したことはないので、もちろんほっとした気持ちはある。打てない時も気持ちは折れてなかった。今日打てて喜ぶことは喜ぶが、明日また試合があるので、そういう積み重ねだと思います」と表情を引き締めた。

これで開幕から5勝2敗の好スタート。離脱した仲間に責任感を感じさせないためにも、勢いは止めたくない。お立ち台では「最初は本当になにもしてなかった。ここからちょっとずつ貢献できるように、勝てるように力になりたい」。力強く、ファンの前で宣言した。【湯本勝大】

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