連敗を5で止める打球をロッテ岡大海外野手(30)はがっちりつかんだ。3-1の9回2死走者なし。楽天西川の中飛を処理し、ウイニングボールを内野へ軽やかに投げ返した。小走りでハイタッチの列へ。1週間ぶりの儀式が心地いい。だが、すぐに表情を引き締めて言った。「明日も今日以上に気持ちを持ってやっていかないといけない」。

1日日本ハム戦以来のスタメン。7番打者として、好機に燃えた。4回1死一、二塁。「とにかく攻める。流れを持ってくるなら、この回」と集中力はマックスだった。藤井には4月28日にプロ初勝利を献上した。「同じ相手に何回もやられるわけにはいかない」。1ストライクからの2球目、スライダーを捉え、左中間へ先制の適時二塁打を放った。福田秀も続き、先発の河村に3点を贈った。

投手陣に報いたかった。先制打の直後は「河村も頑張っているので」と言ったが、河村だけじゃない。前日は小島。この連敗中だけじゃない。4月17日の日本ハム戦で8回まで完全の佐々木朗も、勝たせてあげられなかった。「ずっとピッチャーに頑張ってもらっている。なんとか援護したい気持ちがありました」と野手陣の総意を口にした。

岡、福田秀と連敗中はベンチスタートの2人が活躍。打線組み替えが実ったが、井口監督は「この辺の中堅クラスが、もっともっと頑張ってくれれば上にいける」と、期待値はこの1勝にとどまらない。もちろん、岡も分かっている。「こういう状況ですけど、チームとしては成長できるチャンス」と強調した。2ケタ借金の前で踏みとどまった。巻き返す。【古川真弥】

▽ロッテ福田秀(4回、岡の先制打に続き、中前へ2点適時打)「最初のチャンス(2回1死一、二塁)で打てなかったので、次のチャンスでは打ててよかったです」

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