サヨナラ勝ちでさようなら! 楽天銀次内野手が、思い出の球場に別れを告げた。3年ぶりに1軍主催試合が開催された岩手県営野球場。老朽化により来年3月に閉鎖される。岩手・普代村出身の銀次にとっては、幼少期から慣れ親しんだ場所。「5番指名打者」で最後の試合に臨んだ。

目に映ったのは自分を応援してくれるたくさんのファンだ。1点リードの7回2死満塁で迎えた第4打席。名前がコールされると、大きな拍手が起こった。たくさんの銀次ユニホームと黒色の応援タオル。「最高でしたね。応援はすごく届いてました」。右翼線へわずかに切れるファウルを放ったが、空振り三振。悔しさが残った。同点の9回1死一、二塁はネクスト・バッタースボックスで、島内のサヨナラ3ランを見届けた。飛び出すナインとは1人ベンチへ。水を取り、歓喜の輪へ向かった。

少年時代、この球場でオリックス戦を観戦した。イチローを見て、プロ野球選手のすごさを知った。盛岡中央3年夏、県大会決勝で敗れた。プロ入り後の17年にはお立ち台に立った。うれしいことも悔しいことも経験した。最後は無安打もチームは首位に浮上。憧れたプロ野球の魅力を見せられた。「この球場本当にありがとうございました」。最後は学生時代のように、グラウンドへ一礼。晴れやかな表情で思い出の地を後にした。【湯本勝大】

▽楽天石井GM兼監督(岩手県営野球場での最後の試合に)「最後は銀次にもあいさつさせたかった。これだけいい声援をもらって、最後チームを代表して『頑張ります』と言ってもらったので、いいクロージングだったと思います」

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