エースでも、負の連鎖を止めることはできなかった。先発した阪神青柳晃洋投手(28)が今季最短の4回でKOされ、今季ワーストタイの4失点(自責3)で2敗目を喫した。これで5月14日DeNA戦から続いていた自身の連勝も「9」でストップ。球団では03年井川慶以来の10連勝の道は断たれた。

「自分のエラーから失点してしまい、チームに申し訳ないですし、早いイニングで降板してしまったので、中継ぎ投手に負担をかけることになって、申し訳ないです」

自ら苦しい展開を招いた。初回は3人で片付けたが、2回に先頭村上に四球を与え、続く宮本の犠打を自らの悪送球でピンチを拡大。これで矢野監督就任後では最長となる10試合連続失策となり、2桁試合連続は00年6月7日巨人戦~21日広島戦の11試合以来、22年ぶりの屈辱だ。

さらに一塁ロドリゲスが送りバントの処理で野選のミス。無死満塁とされると、丸山和の内野ゴロで先制点を献上。ヤクルト戦では28イニングぶりの失点で、3試合連続完封の可能性も消滅し、なお1死一、三塁から長岡に右前適時打で2点を失った。3回は1死三塁から村上に中前に落とされる適時打と、中村に中犠飛を許し、さらに2失点。5回の打席で代打を送られ、交代となった。

本来の投球からはほど遠かった右腕について、矢野監督は「疲れがたまってくるというのと、向こうの攻略というのがちょっとタイミングが合っちゃっている感じはするけど」とかばいながらも、「ミスがもったいないよね」と指摘。「ここをもう1回乗り切るというのが、ヤギ自身のレベルを上げることになるから」と巻き返しに期待した。

20年から続いていた神宮での連勝も5でストップ。今季連敗を4度ストップしてきた青柳でも、悪い流れを止められなかった。【古財稜明】

○…小林は2戦連続無失点で存在感を高めた。4点を追う8回に登板。1死から6番中村に二遊間を破られたが、後続を内野ゴロ2本に打ち取った。「しっかり腕を振って投げることができました。好プレーにも助けられながら、0点に抑えることができて良かった。また任せられたところを抑えられるように準備したい」。着々と立場を確立していく。

○…島本はピンチで無失点の粘り腰を見せた。3点ビハインドの6回裏に登板。2連打と犠打で1死二、三塁とされたが、8番長岡を投ゴロ、代打オスナを三ゴロに仕留めた。「守備からいい流れをつくりたいと思ってマウンドに上がりました。先頭打者を出してピンチを招いてしまいましたが、とにかく0点で粘り切ることができて良かったです」。左肘手術のリハビリから1軍復帰後、これで今季4戦連続無失点だ。

○…岩貞は1イニングを完全投球で終盤の反撃につなげた。先発青柳が4回4失点で降板した後、2番手で5回にマウンドへ。2番元山、3番サンタナから2者連続で空振り三振を奪うなど、3者凡退でバトンをつないだ。「いつもヤギに助けてもらっていますし、反撃に向けて自分がチームを勢いづけるような投球をするんだ、という気持ちでした」。防御率1点台の奮闘が続く。

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