阪神が14日のCSファイナルステージ第3戦のヤクルト戦に敗れ、今季の終戦が決まった。退任する矢野燿大監督(53)が率いた4年間を振り返る。

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◆19年(1年目) 矢野新監督を迎え、投手陣が奮闘した。FA移籍の西勇が10勝、前年1勝の青柳が9勝と成長を遂げた。ジョンソン、藤川、ドリスが盤石の救援陣を形成。攻撃陣では新人近本が36盗塁でタイトルを取り、セ新人最多159安打を放った。シーズン最後に6連勝を飾り、広島を追い抜いて3位に食い込んだ。CSは巨人とのファイナルSで敗退。

◆20年(2年目) 3月末に藤浪らの新型コロナウイルス感染が発覚するなど、激震が走った。3カ月遅れの6月19日に巨人戦で開幕も、カード3連敗スタート。4番に定着の大山がリーグ2位の28本塁打と気を吐いた。ソフトバンクから加わったスアレスが最多セーブ、近本盗塁王。優勝の巨人から7.5差ながら、2位を確保した。CSは開催なし。

◆21年(3年目) まれに見る新人の当たり年となった。佐藤輝が24本塁打、中野が30盗塁で盗塁王、伊藤将が10勝で3人そろってセ・リーグ特別表彰を受けた。チームは球宴を首位で折り返したが、息切れし2位で終了。優勝したヤクルトの73勝を上回る77勝を挙げながら、勝率で下回るという悔しいシーズンとなった。CSは巨人とのファーストSで敗退。

◆22年(4年目) キャンプイン前日に矢野監督が今季限りで退任すると宣言した、異例のシーズンとなった。セ・リーグ最長タイの開幕、9連敗という最悪のスタート。そこから盛り返し、7月24日には5割に到達。一時は貯金3を数えた。終盤は広島、巨人との争いを制し、3位浮上。矢野監督は在任中の4年連続でチームをCSに導いた。

 

▽矢野阪神アラカルト(19~22年)

◆4年連続Aクラス就任した19年から3位、2位、2位、3位と、全年度でAクラスを確保。年間通して指揮を執った阪神の新人監督年から4年連続は、2リーグ分立後初の快挙だ。

◆ドラフト戦略 18年1位の近本は、外れ外れ指名ながら不動の中堅手に成長。また19年1位の西純も今季ローテ入りし6勝。20年1位の佐藤輝は新人年から2年連続20本塁打をクリア。同年2位の伊藤将は左のエースに成長した。同年6位の中野も遊撃の定位置を確保と、チームの柱を育てた。

◆移籍選手 オリックスからFAで獲得した西勇は4年で36勝と本領を発揮した。ソフトバンク自由契約のスアレスは20、21年最多セーブと活躍を見せた。

◆投打で明暗 チーム防御率は19年からセ・リーグ1、2、2、1位。一方の打率は4、5、4、5位で、投高打低が定着してしまった。

◆盗塁はセ最多を快走 19年100、20年80、21年114、22年110盗塁はすべてセ1位(20年のみ巨人とタイ)。19、20、22年近本、21年中野と阪神勢がタイトルも独占した。

◆失策 4年連続でセ最悪だった(19年102、20年85、21年86、22年86)。個人の失策数では、大山が19年20、中野が21年17、22年18と、3シーズンでセ最多を輩出してしまった。

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