ロッテ藤岡裕大内野手(29)の顔つきが少しシャープに見える。ZOZOマリンでの秋季練習に参加中。「ケガ、たくさんありましたし。状態もなかなか上がってこない状況だったんで。まずは来年に向けてケガをしない、をテーマにやりたいなと」。キャンプインまでまだ3カ月以上。焦らずじっくり進める。

存在感のないシーズンだった。それもそのはず、1軍出場は28試合のみ。21年は自身2度目の規定打席到達。快調から一転した。

3月下旬の開幕から、2週間ほど過ぎたころ。右わき腹に違和感を覚えた。「練習中でしたね。検査したら骨折という形で。違和感に耐えながらやってたんですけど」。ここ数年、わき腹の状態が芳しくなかった事実も明かした。「春先は思うようにバット振れなくて。違和感もちょっと残っているので、来年までにしっかり完治させて」。

シーズン終盤には茶谷が頭角を現した。球団は今年のドラフト会議で、大学NO・1遊撃手と呼ばれる天理大・友杉篤輝内野手(21=立正大淞南)を指名した。当然、知っている。「毎年競争は激しくなるので、そこは負けないように頑張るしかないかなと思います」。負けないように、万全に戻すことを最優先に進めている。

万全ならば-。21年シーズンは三塁手としての出場も含め、137試合で打率2割5分5厘、3本塁打、37打点、10盗塁。トータルでみればプロ1年目に並ぶ数字を挙げた。藤岡は「そこが最低ライン」と断言する。「あの数字で満足してたらダメなんで。そこを大きく上回るようにやりたい」と見据えている。

2年連続2位。優勝に手が届く場所まで来て「優勝パレードをしてみたいです」と目を輝かせたこともある。来季は自身の活躍を大前提に、やはりそこも譲れない。「優勝できてないので。何とか吉井さんを胴上げできるように。その1つのピースになれればと思うので、必死にやりたいなと思います」。

来年の夏、30歳になる。働き盛りだ。「まだまだ衰える年齢には早いんで」と笑い、数分後にはグラウンドで熱くバットを振っていた。【金子真仁】